高気密高断熱の住宅は非常にメリットが多いため、多くの住宅会社が採用している仕様です。そのため、注文住宅を検討している人は高気密高断熱の住宅を体感することもあるでしょう。しかし、優秀な仕様である高気密高断熱の住宅は基準をクリアすることが難しく、どのような住宅会社でも規定を満たすことができるわけではありません。

そこで、この記事では高気密高断熱の基準とデメリットを解消したうえで活用する方法について解説します。

高気密高断熱を表す基準

家の気密性や断熱性を調べる数値として、C値とUA値があります。省エネ住宅や長期優良住宅の認定は全てこれらの数値をベースに査定されるため、高気密高断熱の家を目指すうえでは重要な数値といえます。そこで、ここではC値とUA値がどのような基準数値なのかについて解説します。

・C値
・UA値

C値

C値は家にどのくらいの「すき間」があるのかを数値化した指標で、気密測定に使用します。計算式は「家全体のすき間面積÷延べ床面積」で算出され、C値が小さい家ほど気密性が高いということになります。

平成14年まではC値の基準を5.0以下にするという基準がありましたが、今は撤廃されており各住宅会社はパンフレットに「高気密」と記載するだけに留まっています。そのため、気密性を重要視したい場合にはパンフレットにしっかりC値の測定値が記載されているメーカーを選びましょう。

UA値

C値が「気密性」を測定するための指標に対し、UA値は「断熱性」を測定することを目的とした指標です。家全体からどのくらい外に熱量が漏れるのかを表す指標となっており、「家の各部における熱損失量の合計÷延べ床面積」という計算式で計算することができます。

断熱性能は省エネ住宅の認定にも使用される基準となっており、UA値が低いほど断熱性能が高い住宅です。そのため、高断熱を強みをする住宅会社を検討する場合は、UA値が具体的にどのくらいの数値なのかを確認しましょう。

高気密高断熱住宅のメリット

気密性と断熱性を測定するための指標について解説しましたが、そもそも高気密高断熱の住宅である必要はあるのでしょうか。全ての住宅会社が高気密高断熱の住宅を建てられるわけではないため、拘らない方が依頼先の選択肢は増えます。

そのため、高気密高断熱の住宅を検討する前にどのようなメリットがあるのかを知っておく必要があります。そこで、ここでは高気密高断熱の住宅に住むことでどのようなプラス材料があるのかを解説します。

現在住宅会社を絞り切れていない人は、次に挙げるメリットを参考にしましょう。

・健康に配慮した生活環境で暮らすことができる
・ランニングコストを抑えることができる
・資産価値を長く維持することができる

健康に配慮した生活環境で暮らすことができる

高気密高断熱の住宅は「外気の侵入を防ぎ、家屋内のエネルギーを外に出さない家」ということになります。つまり、外気に含まれるアレルギー物質や人体に有害な物質をカットしてくれることになります。そのため、家屋内にいる限りはきれいな空気で過ごすことができ、アレルギー疾患やアトピー対策をすることが可能です。

また、断熱性能が高い家は冷気や暖気が外に逃げにくい家となるため家屋内での温度差が減り、ヒートショック対策としても効果を発揮するでしょう。さらには結露発生を抑え、カビやダニの発生も防止することが可能です。

このように、住んでいる家族に子どもやペット、高齢者がいたとしても全員の健康に配慮することができるのが、高気密高断熱の住宅といえます。

ランニングコストを抑えることができる

高断熱の家は少しのエネルギーで空調管理をすることができ、光熱費を大きく下げることができます。そのため、高気密高断熱の住宅とそれ以外の住宅とではランニングコストに大きな差があります。

最近の猛暑は災害級と呼ばれることが多いため、毎月の光熱費を安くできる住宅は省エネ住宅として優秀だといえるでしょう。

資産価値を長く維持することができる

高気密高断熱の住宅は結露発生を抑えることができますが、これにより家全体に与えるダメージが少なくなります。その結果、気密性と断熱性が低い住宅と比べいつまでもキレイな家を保つことができます。

このように資産価値を維持できている家は将来売却する際にも同じ築年数の家よりも高く売却することができ、非常に大きなメリットがあります。また、売却しなくとも相続対策にもなるため、高気密高断熱の住宅に住むことは資産面においてもメリットがあるといえるでしょう。

高気密高断熱住宅を活かす全館空調

高気密高断熱の住宅にはメリットが多いものの、「家屋内で発生した空気が排出できない」というデメリットもあります。

いくら外から有害物質の侵入がなくとも、日常生活を家屋内で送る以上は人体から有害物質が放出されることもあります。また、発汗や呼吸による水分は結露を発生させるため、高気密高断熱の住宅であっても換気が不十分であれば健康に良い家とはいえません。

そこで、高気密高断熱の住宅は全館空調と合わせて導入することが重要です。全館空調は1台の換気システムで家屋内の空調を管理する仕組みですが、高機能なフィルターを搭載しています。そのため、有害物質の侵入と家屋内の換気を同時に行うことができ、高気密高断熱の住宅が持つデメリットを補完することができます。

つまり、高気密高断熱の住宅+全館空調の家を選択することでメリットだけを集約した家にすることができます。

まとめ

住宅会社の中には「高気密高断熱」を謳っているところも多いですが、実際に数値を公表している会社を選ぶほうが安心感があります。気密性はC値、断熱性はUA値によって数値化することができ、どちらも数値が小さいほど高気密高断熱だといえます。

また、高気密高断熱の住宅にはメリットも多いですがデメリットもあるため、なるべく全館空調とセットで導入しましょう。高気密高断熱+全館空調システムの住宅は住む人の健康に配慮でき、ランニングコストが低い住宅となるため、おすすめです。山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で高気密高断熱の家をお考えの方は、お気軽に当社へご相談ください。