寒い冬でも暑い夏でも家の中で快適な生活を実現するためには、しっかりと熱をシャットアウトすることが大切です。そのためには、断熱材を使うのが非常に有効ですが、これにはどのような種類があるのでしょうか。今回は断熱材の役割と種類について紹介します。

断熱材の役割について

断熱材と聞くと、ただ熱を遮断するためのものだというイメージが湧いてくる人も多いのではないでしょうか。しかし、断熱材にはそれ以外にも役割があります。

役割1. どんな時も綺麗な空気で快適に過ごせるようになる

夏は外部の熱を遮断し、冬は室内の空気を逃がさないことで少しの冷暖房エネルギーで室温をコントロールできるので、快適に暮らせます。また、人間が一生で最も摂取するものは、食べ物でも水でもなく空気だと言われています。家の空気を綺麗にするという効果もあるので、人間の体にとっては大きなメリットです。

役割2. 光熱費を抑えられる

熱をシャットアウトできれば、自然と快適な温度を維持できるようになりますが、それに伴ってエアコンや扇風機などを使う頻度が少なくなります。そうすると、光熱費の削減にもつながりますし、さらにエアコンや扇風機などの寿命も延びるため、買い替える機会も少なくなります。これにより、長期的に見るとランニングコストの節約に繋がるのです。

役割3. 家を長持ちさせる

日本の家屋はだいたい30年程で寿命を迎えると言われていますが、これは世界的に見ると比較的短いです。その原因には、壁の中の結露が挙げられます。日本は四季がはっきりしているため、季節によって湿度が大きく変動します。壁の中の結露が発生する原因は、外と中の温度差です。

結露には表面結露と壁の内部などにできる内部結露がありますが、特に内部結露は室内の水蒸気が壁の内側に入り込んで発生するので気付きにくく、建物の基礎や外壁を腐食させる原因になります。この場合にも、熱を入れなければ結露の発生原因をなくせるため、家の寿命を延ばせるのです。

断熱材にはどんな種類があるのか

断熱材には数多くの種類がありますが、今回は繊維系に絞って紹介します。

繊維系はガラスを繊維状にしたものです。そのうち、グラスウールやロックウールなどの鉱物を原料としたものは「無機質系」と呼ばれ、セルロースファイバーやインシュレーションボードなどの木質系素材を利用したものは「木質繊維系」と呼ばれます。ここからは、それぞれの特徴を見ていきましょう。

グラスウール

グラスウールは、最も基本的でリーズナブルな断熱材です。ガラス繊維でできているのでシロアリなどの害虫被害が起こりにくく、火災に強いというメリットもあります。また、長く使ってもほとんど劣化しないため、断熱性能も長続きします。

ロックウール

ロックウールは、玄武岩を高温で加工して作る石綿の一種です。収音性能や断熱性能に優れていて、燃えにくいという特徴があります。また、鉱物を原料としているので害虫にも強いです。

セルロースファイバー

セルロースファイバーは古紙をリサイクルした繊維で環境に優しい素材です。調湿性が高く、結露対策のために利用できます。防火性能や害虫予防の効果も期待できるため、無機繊維系の断熱材に比べて性能が高い傾向があります。弱点が非常に少なく、メリットが多い素材ですが、その分価格も比較的高くなります。

インシュレーションボード

インシュレーションボードは、環境に優しい植物の原材料で作られたボード状の断熱材です。断熱性と吸音性に優れているのが特徴で、軽くて加工がしやすいため様々な部分に用いられます。また、透湿性も高いため結露しにくいです。さらに耐久性の高さも魅力ですが、価格は少し高くなります。また、シロアリに弱く、木質繊維系なので耐火性能も低いというデメリットがあります。

断熱材を選ぶ時の注意点とは

注意点1. 施工技術が影響すること

効果をしっかりと発揮させるためには、断熱材を隙間なく施工する必要があり、施工技術が重要になります。当然、隙間を埋める施工は、どの種類を使うかによって難易度が異なります。施工するハウスメーカーや工務店が使い慣れている断熱材を用いるのであれば問題ありませんが、慣れない断熱材では、不十分な施工になってしまうこともあるので注意が必要です。

注意点2. ハウスメーカーや工務店によって施工方法や種類が異なること

断熱材の種類や施工方法は、ハウスメーカーや工務店によって異なります。建物の構造や工法といった、色んな要素の組み合わせによって、提案内容は変わります。もちろん、その地域の気候など、エリアごとの要因もあります。希望の断熱材や施工方法がある場合は、対応しているハウスメーカーや工務店に新築を依頼するようにしましょう。

まとめ

今回は、断熱材の役割や種類、選ぶ時の注意点を紹介しました。
断熱材には、熱を遮断する役割以外にも、光熱費を抑えたり、家の寿命を延ばしたりといった役割があります。また、どの種類の断熱材を提案されるかはハウスメーカーや工務店によって異なる点には注意しましょう。山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で注文住宅をお考えの方は、お気軽に当社へご相談ください。