住宅会社との商談が進むと資金計画表の提示をうけますが、表には坪単価の表記があります。多くの買主がこの坪単価をベースに住宅会社の建物金額を判断しますが、実はこの坪単価は住宅会社によって計算方法が違うことがあります。

そのため、安く見せることも高く見せることも可能な表記となるため、一概に坪単価だけで会社の良し悪しを決めるのはリスクが高いといえるでしょう。そこで、この記事では坪単価について解説します。それ以外にも「面積」についても解説していきますので、現在家づくりを検討されている方は是非最後までお読みください。

施工面積と床面積

まず、住宅会社が提示する面積のなかで代表的な「延べ床面積」と「施工面積」について解説します。この2つの面積は使われる場面も実際の面積も大きく変わるため、正しく理解することが重要です。

・延べ床面積とは
・施工面積とは

延べ床面積とは

延べ床面積は公的な面積として使われることが多く、全部事項証明書や建築確認申請に記載される面積は延べ床面積です。各解の床面積を合計した面積となっていますが、吹き抜けや2メートルを越えないバルコニーは計算に含まないなどのルールがあります。固定資産税や相続税、贈与税、取得税、住宅ローン控除といった税金や税制優遇の計算も延べ床面積が基準となりますので、非常に重要な面積といえます。

施工面積とは

延べ床面積とは別に「施工面積」という言葉がありますが、この面積は広義的に使用され特に定められた定義がありません。そのため住宅会社によってどの部分を含めた面積になるかは変わりますが、一般的には延べ床面積に含まれない部分を含めた面積であることが多いです。つまり、多くの場合において施工面積は延べ床面積よりも広くなるものの、公的な面積ではないことを知っておきましょう。

坪単価の表記に注意

坪単価は前述した延べ床面積と施工面積のどちらをベースにするのかで大きく変わります。
そのため、住宅会社がどちらの面積を使用しているのかをしっかり確認する必要がありますが、各会社の算出基準が違うことがあるため一定水準で評価することは難しいです。

そのため、ここでは延べ床面積と施工面積が建物価格2,500万円の家で坪単価計算した場合にどのくらい変わるのかを解説しますので、坪単価のイメージをつけるために御参考ください。なお、延べ床面積を120㎡、施工面積を140㎡とします。

・延べ床面積による坪単価計算
・施工面積による坪単価計算

延べ床面積による坪単価計算

延べ床面積をベースとした坪単価の場合、2,500万円÷36.3坪(120㎡)=約68.9万円/坪となります。この坪単価は全部事項証明書などの公的書類で計算しても同値となるため、信頼性は高いといえるでしょう。

施工面積による坪単価計算

一方、施工面積はどこまで含めるのかという定義がなく、延べ床面積には含めないバルコニーや吹き抜けに加え、基礎周りのコンクリート舗装を含めるケースもあります。そのため、住宅会社の定義次第で施工面積はいくらでも大きくすることができます。

2,500万円の建物価格を140㎡の施工面積で坪単価算出した場合、2,500万円÷42.4坪(140㎡)=約59万円/坪となります。

つまり、前述したケースでは施工面積による坪単価の方が約10万円安くなることになります。このように、延べ床面積と施工面積のどちらを使って坪単価が計算されているのかは非常に重要です。

建築面積の特徴

前述した延べ床面積と施工面積とは別に、「建築面積」という表記があります。この面積は間取り設計をする際に見かけることが多くなり、上から見下ろした際の面積となります。

壁から1メートル以内の屋根やバルコニーは計算に含めず、1メートルを超える場合は1メートルまでを計算として含むといった計算の特徴がありますが、主に「建ぺい率」の計算に使用します。建ぺい率は土地に対しての建築面積の割合で、建築するエリアによって割合は大きくなるため注意が必要です。

例えば第一種低層住宅専用地域であれば50%というエリアが多く、これは土地面積に対して建築面積を50%以下にする必要があるということを表しています。また、商業地域であれば防火対策を行うことで80%~100%まで建ぺい率を緩和させることができます。

このように、建築基準法をクリアするための家にする必要があり、建築面性はそのための計算に使用されます。

まとめ

大手住宅会社はローコストメーカーよりも坪単価が高く、金額面で慎重になるケースもあるでしょう。しかし、住宅会社の比較はそれぞれの資金計画表を提案してもらい、増額で判断することをおすすめします。

その理由として、坪単価は住宅会社側の「さじ加減」で変動させることができるため、誤った判断基準になりかねないからです。そのため、坪単価の表記には注意し、どのような算出根拠なのかを確認しましょう。山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で注文住宅をお考えの方は、ご不明点や不安な点など、お気軽にご相談ください。