家づくりを進める上で最も設計に時間を要するのが「間取り」です。注文住宅を検討する人にとって「立地」と「間取り」は理想の家づくりを実現させるために、非常に重要といえるでしょう。そこで、この記事では家づくりで失敗しないための間取りについて解説します。

間取りを設計する前に決めること

間取りを設計する前には事前に考えておくべきことがあるため、いきなり間取り設計を進めてもうまくいかないでしょう。そこで、間取り設計を進める前にこの章で解説するポイントを確認することをおすすめします。

・今の生活を振り返る
・取り入れたい間取りを話し合う

今の生活を振り返る

理想の間取りを考える上でベースとなるのは、今住んでいる居住空間です。現状のリビングや寝室、動線などをまずはしっかり確認し、それを踏まえて「良い点」と「気になる点」を家族で洗い出しましょう。

「良い点」と「気になる点」は家族全員が一致する点もあれば違う点もある筈です。このように、家族それぞれが間取りに対してどのような意見を持っているのかを確認することも重要です。

取り入れたい間取りを話し合う

「良い点」と「気になる点」が出揃えば、理想の間取りについて家族で話し合いましょう。
白紙に間取りを描きながらリビングや和室、寝室の広さをイメージし、家族全員が納得の間取りを作り上げることで実際の間取り設計をスムーズに進めることができます。

検討している土地形状を確認する

理想の間取りを描くことができれば、最後は検討している土地で実現可能かを検証しましょう。たとえばリビングに大きな掃き出し窓を設置し太陽光を多く取り入れたい場合は、道路が南~南東側にある土地がおすすめです。

しかし、その場合は太陽光が差し込むラインに遮蔽物がない前提となり、通行人との目があることも考慮しなければなりません。また、夏場は非常に暑くなることも知っておくべきです。

このように、理想の間取りを実現するためにはどのような土地が必要となり、さらにはデメリットについても把握する必要があります。

家を建てる年齢に応じた間取りのポイント

家を建てた年齢によってライフスタイルが違うため、間取りのポイントも変わります。
そこで、この章では家を建てた年齢別の間取りポイントを解説します。

・20代~30代
・40代
・50代

20代~30代

20代~30代で家を建てる場合には子どもができたり兄弟姉妹ができたりする等、家族構成が変化しやすいといえます。そのため、将来部屋数を変えることができるよう、部屋を仕切れる仕組みを盛り込んでおくことをおすすめします。また、リビングにおいては家事をしながら子どもを見ることができる間取りがおすすめです。

40代

40代で家を建てる場合は子どもの年齢が10代になっていることもあるため、独立した自室が必要になるでしょう。また、オンライン授業を受けることもあるため、必要であれば家とは別のWi-Fi回線を用意できる間取りがおすすめです。夫婦においても新しい資格などにチャレンジするケースもあるため、資格勉強できるようなマダムスペースを設置してくのも良いでしょう。

50代

50代で家を建てる場合は子どもが独立するタイミングか既に独立しているケースが多いです。さらに親との同居も考える家庭が増えるタイミングでもあるため、バリアフリーや子どもが使っていた部屋の用途を変えられる前提の間取り設計にしましょう。

失敗しやすい間取りポイント

この章では失敗しやすい間取りポイントについて解説します。間取りは一度設計すると一部変更するだけで全体に影響が出てしまうため、慎重に進める必要があります。そのため、この章で挙げるポイントをしっかり押さえ失敗しないようにしましょう。

・動線
・収納
・家族構成等の変化

動線

たとえば階段や踊り場スペース、玄関を小さくすることで居室スペースの面積を増やすことができますが、家族の動線が重なってしまい朝の支度時にはぶつかる可能性が高くなります。このようなことにならないよう、住んだ後のイメージをしっかり持ちながら動線を確保できる間取りを設計しましょう。

収納

収納は多ければいいというものではなく、適材適所の設置が理想です。たとえば収納を多くしておきたい場所としては、玄関やキッチン、洗面台、各居室があるでしょう。それぞれ収納する物が多く、スッキリさせておくことで動線を確保することができるからです。

一方、踊り場などに多くの収納を設定した場合はわざわざ取りにいく工数がかかってしまいます。このように、効率良く生活するためにも収納数と位置は重要です。

家族構成等の変化

子どもが増えたり独立したり、同居したりと人生は同居人数が大きく変化するため、変化に対応できる間取り設計が重要です。そのためには様々な用途に使うことができる部屋にすることは勿論、家具や家電の配置を変えやすい間取りにしておくこともおすすめです。

まとめ

家の間取り設計をするためにはまず理想の間取りを家族全員で話し合いイメージすることが重要です。それ以外にも、検討している土地形状とのバランスを確認し、実現可能かどうか検証する必要があります。また、間取り設計は家を建てる年齢によってはポイントが変わるため、注意が必要です。失敗しない間取り設計を実現するためにも、この章で解説するポイントをしっかり確認しましょう。