「小上がり」
それは、日本の伝統的な住宅において、床の高さを変えて部屋を区切るデザインの1つです。
このデザインは、日本の建築における美意識や機能性を体現しており、和の風情を感じられます。
本記事では、この小上がりについて見ていきましょう。
メリットやデメリット、小上がりを作る際のポイントなどを紹介しているので、小上がりに興味がある方はぜひ参考にしてください。

小上がりのメリットとは?

1:収納スペースの確保

小上がりの下にあるスペースは、収納スペースとして活用できるため、収納スペースの確保が可能であるというメリットが小上がりにはあります。
例えば、常に出しておかなくても良いものである季節ごとの衣類や寝具、家庭用品などを収納することが可能です。
床下を収納スペースとして利用することで、部屋のスッキリ感を保ちながら、必要な物品を整理整頓できます。

2:優れた視覚効果

小上がりは、部屋の中で1段高くなっているため、視覚的な魅力を持ち、のっぺりとした印象を持ちにくくなります。
段差を作ることで、部屋に良いアクセントが出るようになるのです。

3;多目的な利用が可能

小上がりは、単に座る場所としてだけでなく、展示スペースや書斎、寝室など、さまざまな目的に利用することも可能です。
高すぎず低すぎない高低差にすることで、さまざまな用途に活用できるので、自分の用途に合わせた小上がりの高さにしましょう。

4:高級感と伝統性

小上がりは、和室の伝統的な要素の1つであり、高級感を演出できます。
小上がり次第で、部屋全体の雰囲気やデザインと調和し、日本の伝統文化を感じられるようになるのです。

小上がりのデメリットとは?

しかし、小上がりは一部の方にはデメリットとして感じられるかもしれません。
小上がりのデメリットは以下のようなものが考えられます。

1:スペースの制約

小上がりは床の一部を盛り上げた構造なので、スペースが制約されます。
フラットな床ではなくなるため、自由にものを配置することが難しくなり、家具や装飾品の配置に制限が生じる可能性があるのです。

2:移動の制約

小上がりがある部屋では、盛り上がった床面を越えて移動する必要があります。
特に高さがある場合や段差がある場合は、特別な注意が必要です。
小上がりはバリアフリーな構造ではないため、高齢者や身体的に制限のある人にとっては移動が難しい場合もあります。
子どもが歩けないような小さい場合や、家のバリアフリー化を考えている家庭の場合、注意が必要です。

3:掃除の難しさ

小上がりの床は一般的にフラットな床よりも複雑な形状をしているため、掃除が難しくなることがあります。
特に盛り上がりの際にできる隙間や段差にゴミやホコリが溜まりやすく、掃除が行き届かない場合があります。
また、お掃除ロボットを使用して掃除をしている場合も、お掃除ロボットが上れないため、手で掃除したり、わざわざお掃除ロボットを上に上げたりする必要があるのです。

小上がりを作る際のポイントとは?

後悔しないために、小上がりを作る際のポイントを知っておきましょう。

1:小上がりの広さ

小上がりの広さは一般的に3畳から6畳が一般的ですが、その中でも4.5畳が最も人気です。
この広さは広すぎず狭すぎず、ちょうど良いとされています。

もし6畳ほどの広めの小上がりを作る場合、独立した部屋としても使用できるように、間仕切りや引き戸を設置することが多いです。
これにより、小上がりを客間や寝室として利用する際に便利に使えます。
逆に、1畳から2畳の狭い小上がりを作り、ベンチやソファの代わりに腰掛けるスペースとして活用することも可能です。

広さを決める際には、リビングとのバランスや使用目的を考慮すると良いでしょう。

2:小上がりの高さ

一般的に、昇降しやすい段差の高さは階段などで20センチメートルとされています。
しかし、小上がりの場合は、腰掛けて立ち上がる動作や収納のことを考慮すると、30センチメートルから40センチメートルの高さが使いやすいです。

10センチメートルのような中途半端な高さにすると、かえってつまずきやすくなる可能性があるため、注意しましょう。
また、もし40センチメートル以上の高さの小上がりを作りたい場合は、高さに応じた階段を追加する方法も考えられます。

小上がりの高さは、ご家族の年齢や設置場所、使用目的に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。

3:目隠しの有無

小上がりに目隠しを設置するかどうかもポイントです。
小上がりをお子さんの遊びスペースやリビングの延長としたい場合は、目隠しなしにすると開放感が出ます。

一方で、小上がりを客間や寝室として使用する場合は、間仕切りを兼ねた引き戸を設置して、完全に区切れるようにしておくのがおすすめです。
来客時のみサッと目隠しをしたいなら、ロールスクリーンを設置する方法もあります。

まとめ

小上がりは、無難な家の間取りに良いアクセントを出してくれる間取りです。
しかし、小上がりには、作る際に意識するべきポイントもあります。
このポイントを意識することで、小上がりがより便利なものになり快適な暮らしにつながります。
山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で注文住宅をお考えの方は、お気軽に当社へご相談ください。