戸建てを購入するか建てるかを検討する際に、「注文住宅」と「自由設計」という言葉を目にすることがあります。SNSやインターネットでは広義的に使用されていることもあって、どちらも同じ意味のように使われていますが、実は全く違う意味ということは御存知でしょうか?「自由設計だから全て自由に設計できる!」と思い込み建築会社にコンタクトを取ると、大失敗する可能性があります。

そこで、この記事では「注文住宅」と「自由設計」の違いと、自由設計をする際の注意点について解説します。現在家の購入を考えている人は、是非最後までお読みください。

注文住宅と自由設計の違い

注文住宅と自由設計された住宅は全く違う家になります。
ここではそれぞれの定義について解説しますので、しっかり理解しましょう。

・注文住宅とは
・自由設計とは

注文住宅とは

注文住宅は土地と建築会社を選定することで、立地や間取りを理想通りの仕様にできる家です。最近では一から全てを設計できる「フルオーダー住宅」と、ある程度ラインナップが決まっている「セミオーダー住宅」がありますが、基本的にはオーナーが思い描く仕様を追及することができます。

自由設計とは

自由設計は建築会社が決まっており、建築会社はビルダーと呼ばれる建売業者です。そのためハウスメーカーを選定することはできず、土地も決まっています。それではどの部分が自由かというと、間取りを自由設計できるという点です。建売業者が土地を購入し建築する建物の認可が降りる前に契約することで、間取りを自由に設計できる「自由設計」が可能となります。

このように、注文住宅のような自由度はないものの重要な間取りや仕様についてはオーナーの意向を反映できるのが、自由設計だといえるでしょう。

自由設計のメリット

自由設計には様々なメリットがあるため、オーナーの家に関する考え方次第では最も最適な選択肢になり得ます。そのため、まずは自由設計にはどのようなメリットがあるのかを知りましょう。

・注文住宅よりコストを抑えることができる
・注文住宅より短納期
・建売より間取りを重視できる

注文住宅よりコストを抑えることができる

間取りや仕様にこだわりを持つオーナーは建売住宅では満足できないことが多く、注文住宅を検討します。しかし注文住宅は戸建ての中でもっとも高く、資金計画が悩みの種になることも多いでしょう。もちろんその分、こだわりをとことん詰め込んだ自分だけの家をつくることができます。

一方、自由設計は建材を工場で一貫生産しているビルダーであることが多いため、コストを大きく下げることができます。つまり、自由設計を選択することで低コストと自由な間取り設計を両立できるといえます。

注文住宅より短納期

注文住宅は着工から完工まで約6ヶ月~10ヶ月ほどかかり、土地探しや住宅会社選びの期間を含めると2年近く時間を要します。そのため、転勤や学校の手続きに合わせて引越しすることは非常に難しいとされています。また、近年日本に大きな影響を与えたウッドショックやアイアンショックのような世界情勢の影響を受けないとも言い切れません。

しかし、自由設計の家は工場で一貫生産された建材を使用するため、注文住宅よりも外的な要因を受けにくく、さらには同じ建材を使用するため建築スピードが非常に早いという特徴があります。自由設計にはこのような特徴があるため、短納期で家を建てることが可能です。

建売より間取りを重視できる

自由設計は注文住宅に対してのメリットだけでなく、建売住宅と比べてもメリットがあります。ビルダーが建てる建売住宅は、良くも悪くも同じような間取りになっています。これは、万人受けする間取りにすることで売れ残るリスクを減らすことができるという理由があるからです。また、建売住宅は立地が良い場所に建築されているというメリットもありますが、これも早期売却できることが考慮されています。

しかし、同じような間取り、外観の家に住みたくないという人も多いです。そのため、「立地や価格はいいけれど平凡な家」という評価をされるケースもあります。自由設計の家はこのような建売住宅の課題に対し、痒い所に手が届くようなメリットで対応することができます。つまり、建売住宅の低コストや立地の良さという利点と、自由に間取り設計できオリジナル性の高い家づくりという利点と両立できることになります。

自由設計の注意点

自由設計は多くのメリットがありますが、注意点もあります。注文住宅や建売住宅ではなく自由設計の家を選んだ人の中には、検討段階や住んだ後に後悔する人もいます。では、どのような注意点があるのでしょうか。

・使い勝手が悪くなることがある
・「自由」の範囲が建築会社によって異なる

使い勝手が悪くなることがある

自由設計は文字通り、間取りや仕様をオーナーが決めることになります。そのため、住んだ後に使い勝手が悪いと感じるケースも少なくありません。たとえばエアコンの効きが悪かったり収納の位置が思ったより不便だったりする失敗談は、多くみかけます。

注文住宅であれば設計士がフォローするためこのような事態にはなりにくく、建売住宅はそもそも建っているためイメージすることができます。このように、自由設計にはプロの意見が介在しないという注意点があるため、間取りの満足度という面では注文住宅の方が良いでしょう。

「自由」の範囲が建築会社によって異なる

自由といっても建築会社ができないことはできません。たとえば暖炉の導入や全館空調といった仕組みはどのような建築会社でも導入できるわけではなく、限られた会社を探さなけらばなりません。つまり、コストを抑え夢を詰め込んだ家を建築できるかどうかは、建築会社次第となります。そのため、自由設計を選択する際には「なんでもかんでも自由にはできない」という意識を持って検討しましょう。

まとめ

注文住宅と自由設計は全く違う定義となっており、どのような家作りをするのかで選択肢は大きく変わります。たとえばコストや納期は自由設計の方が優位性がありますが、より自由に設計したい場合は注文住宅がおすすめです。山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で注文住宅をお考えの方は、お気軽に当社へご相談ください。