最近では、家づくりの選択肢として平屋を考える人が多くなっています。平屋には耐震性や動線、暮らしやすさの面で優れている点がいくつかありますが、懸念点として広さの問題があります。今回は、平屋を建てようとお考えの方へ、土地の広さの目安を紹介します。

容積率と建蔽率について

建蔽率とは、敷地面積に対する建物面積の割合のことです。つまり、建物を真上から見た時の面積の割合と言えます。その土地に、どのくらいの広さの建物が建てられるかを調べる時に使う数値となっています。

一方で、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合を指します。この延べ床面積とは、建物の全ての階の床面積を合計した面積のことです。建蔽率が平面的な広さの上限であるのに対して、容積率は敷地面積の立体的な空間に対する割合のことを言います。

平屋の目安となる土地の広さについて

平屋は2階建てと比べて1階の面積が広い、つまりそれだけ土地が広くなければなりません。人によっては100坪くらいの広さがないと建てられないのではないかとイメージするかもしれませんが、実際にはもう少し狭い土地でも建てられます。世帯人数や間取り、各部屋の広さにもよりますが、容積率や建蔽率のバランスを考慮すると平屋建てに必要な最低限の坪数の目安は50坪ほどとされています。

もちろん、どの地域に建てるのかによって容積率や建蔽率は異なるので、50坪より狭い土地で良い場合や、50坪より広い土地が必要になるケースもあります。土地を探す時には広さについて重点的に調べておくと良いでしょう。

暮らしやすい平屋の間取りポイント

ここまでは、平屋を建てるのに最低限必要な広さの目安を紹介しましたが、実際に建てる際には、どのような間取りにすると良いのでしょうか。ここからは、平屋で暮らすのにおすすめな間取りのポイントについて見ていきましょう。

ポイント1. 必要な部屋と設備のみにすること

広すぎる家や2階建ての住まいは、老後には無駄なスペースになる傾向があります。また、夫婦2人だけで生活する場合、部屋数が必要以上に多いと動線が複雑になり不便です。リビングダイニングキッチンは広めにとると便利なので開放感を重視すべきですが、その他の設備は必要最低限のものだけにするシンプルな間取りになるよう心がけましょう。そうすることで、物置のための部屋が生まれず動線もスムーズになります。平屋は、老後の夫婦がコンパクトで効率的な暮らしをするのに最も適した住宅様式だと言えます。

ポイント2. ウォークインクローゼットを備えること

ウォークインクローゼットを備えることで、季節ごとに衣替えする必要がなくなり、家事も楽になります。タンスやハンガーラック、衣装ケースなどの収納家具も減らせるため、無駄をなくして動線をよりすっきりさせられます。

ポイント3. ウッドデッキを導入すること

平屋を建てるなら、大きめのウッドデッキを付けて季節の移り変わりを楽しめる平屋にするのもおすすめです。ウッドデッキのスペースを第2のリビングとして活用したり、プランターで家庭菜園を作ったりと使い道はアイデア次第でたくさんあります。戸建てだからこそできる暮らしが実現できるでしょう。

ポイント4. 中庭を採用すること

もし広さが十分あり、周囲からの視線入りにくい立地であれば、全面ガラス張りにして最高の開放感を得ることも選択肢の1つですが、住宅街が限定されている敷地では周辺の住宅との距離感が違いので、一工夫が必要です。特に平屋の場合は全てが1つのフロアで完結し、窓も1階のみになるため、外側と内側の繋げ方がポイントとなります。規模が大きい平屋は、家の中央部の採光や通風が確保しにくくなるので、平面をL型やコの字型にして奥行きを抑えたり、天窓を設けたりすると良いでしょう。

最も理想的な平屋の間取りは、建物の一部を切り抜き、外部と繋がる3つの庭・中庭のある間取りです。採光と通風の両方をしっかり確保でき、木格子で周辺から入ってくる視線をシャットアウトし、プライベート空間とセキュリティの両方をカバーできます。家の中央にあるリビングから3方向の屋外空間への連続性があり、視線が外へ自然と伸びる構造なので、圧巻の開放感を味わえます。

また、平屋の家づくりでは、空間の広がりを十分に感じられるよう、移動のためだけの空間である廊下をあらかじめ作らないことも大切です。さらに、各部屋と水回り空間をリビングから直接アクセスできるようにつなげることで、生活動線を簡略化でき、家族の間でコミュニケーションをとる機会も増えるでしょう。

まとめ

今回は、平屋を建てようとお考えの方へ、土地の広さの目安を紹介しました。
土地の広さは、その地域によっても異なりますが、最低でも50坪ほどの広さは必要になるでしょう。また、今回紹介した間取りのポイントを押さえることで平屋の良さを最大限に引き出せます。山形、天童、東根、その他山形市周辺市町で平屋をお考えの方は、お気軽に当社へご相談ください。