ヒートショックとは急激な温度差による身体的ダメージのことで、高齢者が発症しやすい傾向にあります。ヒートショックが発症すると脳内出血や心筋梗塞を併発することもあり、非常に危険な症状になります。そこで、この記事ではヒートショックになりやすい人の共通点と対策について解説しますので、是非最後までお読みください。

ヒートショックになりやすい人の共通点

ヒートショックは誰でも等しく発症するわけではなく、ヒートショックになりやすい人の共通点があります。この共通点には防ぎようがない項目もあれば、努力によって防ぐことができる項目もあります。そのため、この章で解説したポイントを確認し、自分にあてはまっていないかチェックしましょう。

・高齢者
・基礎疾患がある
・トイレとバスルームに暖房設備がない

高齢者

高齢者になると欠陥の弾力性がなくなり、脳内出血や心筋梗塞を発症しやすくなります。このような状態になるとヒートショックにも当然なりやすくなり、特に冬場では毎年多くの高齢者がヒートショックにより亡くなってします。

高齢が原因でヒートショックになりやすくなることを防ぐことはできませんが、ヒートショックになりやすい年齢になったことを自覚し注意することは可能です。そのため、60歳を超えたあたりからヒートショックに注意するようにしましょう。

基礎疾患がある

脳内出血や心筋梗塞の原因は欠陥の弾力性だけでなく、肥満や運動不足による高血圧や糖尿病も原因になります。そのため、これらの基礎疾患がある人もヒートショックになりやすい人だといえます。また、これ以外にも無呼吸症候群や不整脈など普段から心臓に負担をかけている人も要注意です。

トイレとバスルームに暖房設備がない

トイレとバスルームは脱衣しているため、温水便座や暖房付き換気システムなどがない場合は非常に寒い空間となります。このような空間ではヒートショックになりやすく、注意が必要です。

ヒートショックは暖かい空間から寒い空間への移動だけでなく、寒い空間から暖かい空間への移動でもなりやすいです。そのため、なるべく温度差をなくす設備を導入し、ヒートショック対策することが重要です。

入浴時のヒートショック対策

入浴時は家の中で最もヒートショックになりやすく、注意が必要な場所です。また、閉鎖的な空間であるため転倒しても家族が気づかないこともあるため、事前にヒートショック対策をしっかりやっておくことが重要です。

・水分補給をする
・飲酒は控える
・浴槽の温度を低めにし、ゆっくり温まる

水分補給をする

ヒートショックによる脳内出血や心筋梗塞は高血圧が原因となることを解説しましたが、血液をサラサラにしておくことで血圧を下げることができます。そこで、入浴前にコップ一杯の水を飲み、できれば入浴中にも水を飲むことをおすすめします。水を飲むことで血圧を下げることができ、さらには体内温度を少し下げることができます。
このことからお湯でのぼせることを防ぐ効果もあります。

飲酒は控える

飲酒をして入浴すると心拍数が急激に上昇し高血圧の状態になりやすいです。また、体温が上がっても酩酊状態で自覚できないことも多く、バスルームから出た瞬間の温度差に身体がついていかずヒートショックとなることがあります。このように飲酒後の入浴はリスクが高いため、控えましょう。

浴槽の温度を低めにし、ゆっくり温まる

ヒートショックを防ぐためには体温の急激な変化を抑えることが重要です。そのため浴槽の温度は少し低めに設定し、長く浸かることで体温の上昇をゆるやかにすることができます。また、身体を拭く際にも脱衣所ではなくバスルームで拭くこともヒートショック対策としておすすめです。

トイレでのヒートショック対策

バスルームと同じくトイレでもヒートショックはよくおきます。
そのため、この章で解説する対策をしっかり確認し実践しましょう。

・温水便座を導入する
・便秘にならないようにする
・トイレの頻度やトイレまでの距離を短くする

温水便座を導入する

温水便座は下半身を温めることができ、ヒートショック対策として効果的です。もし電気代が気になる場合は便座カバーでも大丈夫ですが、衛生面からこまめに洗濯する必要があります。そのため、便座カバーの取付忘れを防ぐためにも温水便座はおすすめです。

便秘にならないようにする

便秘になると排便時にいきむことになりますが、「いきみ」は血圧を急激に上昇させてしまいます。そのため、便秘にならないよう普段から便通を意識し生活習慣を整えましょう。

トイレの頻度やトイレまでの距離を短くする

トイレでヒートショックがおきるのであれば、トイレの頻度を下げることも対策となります。このように、高齢となり頻尿が気になる年齢となった場合には、ヒートショック対策として改善することをおすすめします。

また、寝室とトイレが離れている場合は寒い廊下にいる時間が長くなってしまいます。そのため、ヒートショックがおきやすい年齢になる前にはトイレに近い部屋で寝るようにし、必要に合わせてリフォームを検討しましょう。

まとめ

ヒートショックによる死者数は交通事故による死者数よりも多く、深刻な問題といえます。
そのため、この記事で解説した対策を実践し、ヒートショックがおきにくい環境や体調を整えることが重要です。長く安心して生活するためにも、ヒートショックにならない身体と家を作りましょう。