間取りを設計する際には気にならなくとも、いざ家ができるとデッドスペースに気づくことがあります。デッドスペースがあると家屋内に無駄な空間ができてしまいますが、有効活用する方法はあります。そこで、この記事ではデッドスペースを有効活用する方法について解説します。

デッドスペースが起きやすい場所

・キッチン
・階段下
・天井
・小上がり

キッチン

キッチンにデッドスペースが起きる理由は、冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品を置くからです。冷蔵庫を置く場所は必要ですが、冷蔵庫の上と天井部分にあるスペースがデッドスペースになります。また、冷蔵庫と棚を並列で置く場合にはすき間ができる可能性があり、うまく活用しなければ無駄なスペースとなるでしょう。

階段下

階段下は代表的なデッドスペースだといえ、十分な広さがないため部屋として活用することができません。そのため、何をするにしても中途半端な空間になってしまうことが多いスペースだといえます。

天井

陸屋根のようなフラット屋根でない限り、天井と屋根の間に空間が生じます。この空間は換気や湿度を逃がすための役割を担っていますが、最近の住宅は気密性が高くほとんど効果を発揮することがありません。また、いわゆる屋根裏となるためデッドスペースとして認識しにくい場所となります。

屋根裏部分は放置しておくと湿気がこもり、カビやダニの原因となるためデッドスペースの中でも注意が必要なスペースです。そのため、家の設計段階で屋根裏ができないように検討する必要があるでしょう。

小上がり

小上がりは部屋と部屋をドアや襖ではなく段差で仕切ることで、広い空間を作ることができる間取りです。リビングから一段上げた場所に畳スペースを作ることで畳部分に腰掛けることもできるため、小上がり自体は非常に有効活用しやすいスペースとなります。

ただし、小上がりにするために1段上げた部分にデッドスペースができてしまい、そのままだと有効活用できない部分となるでしょう。

デッドスペースの活用方法

デッドスペースが起きやすい部分について解説しましたが、前述した内容を踏まえた上で活用方法を解説します。デッドスペースは活用することでデッドスペースではなくなります。そのため、住んだ後にデッドスペースがあることに気づいた場合はこの章で解説する活用方法を試してみましょう。

・収納スペースとして活用する
・ワーキングスペースとして活用する
・インテリアスペースとして活用する

収納スペースとして活用する

階段下や小上がりの段差部分は収納スペースとして有効活用することができます。階段下は掃除機や除湿器、加湿器といった体積の大きい家電製品を入れ、小上がり部分は電池やウェットティッシュなど日用品のストックを入れておくのがおすすめです。

また、冷蔵庫の上部分は賞味期限の長い軽食などをストックする場所にしましょう。収納スペースを増やすことでデッドスペースをなくすだけでなく、リビングが雑然とするのを防ぐ効果もあります。

そのため、階段下と小上がりを始めとするデッドスペースについては、まず収納スペースとして活用できないか検討しましょう。

ワーキングスペースとして活用する

収納スペースとして使うのではなく、ある程度広さがあるデッドスペースは思い切ってワーキングスペースとして活用する方法もあります。ワーキングスペースはパソコンと作業できる机だけで構成できる上に、閉鎖的な部分に設置することで集中できる空間となります。

そのため、リモートワークが多い職場であったり資格勉強するためのスペースが必要な場合は、ワーキングスペースとしてデッドスペースを活用することがおすすめです。

インテリアスペースとして活用する

狭すぎるデッドスペースはワーキングスペースどころか収納スペースとしても利用できない場合があります。もしそのようなスペースがリビングにある場合は、インテリアや写真を置く場所として有効活用することで人の目を引く空間を演出することができます。

また、設計段階でどうしてもデッドスペースになることが分かった場合は小窓を設置し、光を取り入れる空間として有効活用しましょう。

デッドスペースを作らない方法

デッドスペースを有効活用する方法はありますが、そもそもデッドスペースを作らないよう設計することも重要です。そこで、この章ではデッドスペースを作らない方法について解説します。

・空間を意識する
・家具を配置しながら間取りを設計する

空間を意識する

デッドスペースは必要な部分を設計し残った部分にできるスペースです。そのため、残った部分を有効活用することを決めておけばデッドスペースとはならないでしょう。たとえば設計の都合上生まれてしまう空間に窓を持ってきたり、凹凸のないシンプルな間取りにすることで家全体を無駄なく活用することができます。このように、間取りを立体的に検討することでデッドスペースを大きく減らすことができます。

家具を配置しながら間取りを設計する

間取りを設計する際には実際に使う大きさの家具を配置しながら検討しましょう。冷蔵庫やテレビなど大型の家電はデッドスペースを生みやすく、配置を後から変えにくいです。そのため、動かさない家電として間取り設計時に扱うことでデッドスペースを意識した間取りにすることができます。

まとめ

デッドスペースは有効活用することでデッドスペースではなくなりますが、そもそもデッドスペースを生みださないような設計にすることが重要です。そのため、この記事で解説したポイントを押さえ、住んだ後に後悔のない間取りにしましょう。