土地を購入し注文住宅を建てる際には注意点がいくつかありますが、事前に知っておくことで後悔なく家づくりを進めることができます。そこで、この記事では土地を購入する際に押さえておきたいポイントとして、土地購入にかかる費用や税金、注意点について解説します。現在新築のための土地購入を検討している人は、是非最後までお読みください。
目次
土地購入にかかる費用の種類
この章では土地を購入する際にかかる費用の種類について、解説します。
土地購入は土地代金だけ支払っても購入することができず、いわゆる「諸費用」が必要です。また、土地代金にも様々なケースがあるため、この章で解説するポイントをしっかり確認しましょう。
・土地代金
・印紙代
・仲介手数料
・登記費用
土地代金
一般的に土地代金はポータルサイトや物件資料に掲載されている代金になりますが、土地によっては公開されている代金に加え、「上下水引込費用」や「水道メーター設置費用」などが追加される可能性があります。これは土地の所有者が宅建業者で、造成した後に販売する「分譲地」の場合に該当します。この場合は土地代金に加え約50~150万円を支払うことになるため、注意が必要です。
ただし、この費用は家づくりにおいて建物側の諸費用にあらかじめ組み込まれています。つまり、余計な費用を払っているのではなく後からかかる費用を土地契約時に支払っているだけですので、損をしたと勘違いしないようにしましょう。
印紙代
不動産の売買契約や建物の請負契約を締結する際には「印紙税」の納税義務があり、収入印紙を貼付することで納税と見なされます。また、印紙税は売買代金や請負金額によって変わるため、事前に以下の金額を確認しましょう。
売買価格・・・10万円を超え、50万円以下
印紙代・・・200円
売買価格・・・50万円を超え、100万円以下
印紙代・・・500円
売買価格・・・100万円を超え、500万円以下
印紙代・・・1,000円
売買価格・・・1,000万円を超え、5,000万円以下
印紙代・・・10,000円
売買価格・・・5,000万円を超え、1億円以下
印紙代・・・30,000円
売買価格・・・1億円を超え、5億円以下
印紙代・・・60,000円
売買価格・・・5億円を超え、10億円以下
印紙代・・・160,000円
売買価格・・・10億円を超え、50億円以下
印紙代・・・320,000円
売買価格・・・50億円を超える
印紙代・・・480,000円
(引用サイト:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁)
仲介手数料
仲介手数料は仲介業者に支払う報酬のことで、売主と直接契約する以外のケースで支払う必要がある諸費用です。仲介手数料も印紙税と同じように売買代金によって変わるため、注意が必要です。
費用の目安は、物件価格によって以下のように変動する
・売買代金200万円以下:5%+税
・売買代金200万円を超え400万円以下の場合:4%+2万円+税
・売買代金400万円を超える場合:3%+6万円+税
登記費用
「登記」とは所有権を移転もしくは取得することで、登記費用は「登録免許税」と「司法書士の報酬」の合算となります。司法書士への報酬はエリアによって異なりますが、概ね1万円~5万円となることが多いです。登録免許税については売買代金ではなく固定資産税の算出に使われる公示価格(評価額)がベースとなり、土地の場合は評価額×2%で算出することができます。ただし、令和5年3月31日までに土地を取得した場合の特例となるため、これ以降の取得については国土交通省のHPをチェックしましょう。
土地購入にかかる税金の種類
前の章では土地購入に係る諸費用について解説しましたが、この章では税金について解説します。
・固定資産税
・不動産取得税
・その他税金
固定資産税
固定資産税は1月1日時点で不動産を所有している人に対し5月ごろに支払いの通知書が届く税金で、所有している間は支払い義務があります。この税金は前述した登録免許税と同じように公示価格がベースとなりますが、土地の引き渡しタイミングによっては固定資産税の支払い通知書が所有権移転後に売主へ送られてしまいます。そこで、土地を引き渡すタイミングで固定資産税を清算し、お互い損がないように決済するのが一般的です。
不動産取得税
不動産取得税は不動産を取得したタイミングでかかる税金です。主に土地ではなく建物を取得することにかかる税金ですが、多くのケースで免税となります。ただし、大きな土地に小さい家を建てる場合や建物の評価額が非常に高額な場合は税金がかかるケースもあるため、事前に建築会社へ質問し確認しましょう。
その他税金
固定資産税や不動産取得税以外にも、両親や親族から贈与を受けた場合は贈与税、相続の場合は相続税がかかります。これらの税金においても住宅資金として使用するのであれば減税となる制度があるため、どの制度を利用するのかをしっかり検討しましょう。
土地購入の前に確認しておきたい注意点
土地を購入する際には諸費用と税金について把握しておくことも重要ですが、そもそも契約をする前にチェックするポイントがあります。そこで、候補の土地が見つかった場合はこの章で解説する注意点を確認しましょう。
着工と完工の期間を把握しておく
土地を購入した後はなるべく早くに家を建てることで、家賃や利息の支払いを最小限にすることができます。そのため、あらかじめ着工できるタイミングと引っ越しができる時期を確認し、それに向けて準備を進めましょう。
引き渡し条件を確認する
完成した分譲地でない限り、売主は契約後に引き渡しの条件をクリアすべく準備に入ります。そして、その内容によっては引き渡し期間が大きく変わるため注意が必要です。たとえば完成した分譲地であれば契約後1ヵ月で引き渡しとなりますが、確定測量と解体を実施する場合は3ヶ月近くかかります。このように、売買契約の内容をしっかり確認しどのタイミングで所有権が移転するのかを知ることが重要です。
地域に関するルールを確認する
土地を購入し家を建てるということは、新しい場所に移り住むことになります。そのため、町内会やその町独自のルールを事前に確認し、気になる点があれば建築会社や不動産会社に質問しましょう。
まとめ
土地の購入は「動産」とは違い、後から費用が発生することがほとんどです。想定よりも土地にお金がかかってしまい、理想の家づくりができなくなった…ということがないよう、どのような諸費用や税金がかかるのかをあらかじめ確認し、全て把握した上で土地購入を進めることをおすすめします。
この記事へのコメントはありません。