同じ建築費であっても、平屋と2階建て住宅は固定資産税に違いがあります。そのため、平屋と2階建てではどちらの固定資産税が高くなるのかを把握しておく必要があります。また、固定資産税を抑えるポイントも重要です。この記事では平屋と2階建ての固定資産税について解説します。

固定資産税とは

そもそも固定資産税とは、土地や建物などを所有している人が対象となる税金です。毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対し、5月~6月にかけて納付書が発送されます。固定資産税は3年に1度見直しがあり、土地は周辺の流動性や変動率を不動産鑑定士が調査し算出します。また、建物は減価償却を鑑みた評価額が算出され、毎年の固定資産税が決定されます。つまり、土地の大きさやエリアの状況、建物の仕様に応じて固定資産税は大きく変わることになります。

何十年も支払い続けていくことになる固定資産税ですので、小さな差額であっても支払い合計額は非常に大きくなります。そのため、固定資産税がどのくらいの額になるのかは、検討段階でなるべく把握しておくことをおすすめします。

平屋と2階建ての固定資産税の違い

結論からいうと、平屋と2階建てでは平屋の方が固定資産税は高くなります。その大きな理由は2つあり、土地の大きさと建物の構造が違う点です。ここでは平屋を建築する際のポイントを踏まえ、固定資産税が高くなる理由について解説します。

平屋の方が敷地面積が大きくなる

駐車台数2台の一般的な住宅を建築する場合、40坪前後であれば建築することが可能だといわれています。しかし、平屋の場合は建築面積が2階建てよりも増えるため大きな敷地が必要となります。そのため、平屋の場合は土地の固定資産税が2階建てよりも高くなる傾向にあります。平屋を建築する場合、きれいな成形地であっても55坪前後の土地が必要になることを把握しておきましょう。

平屋の方が屋根と床面積が大きくなる

敷地面積だけでなく、平屋は屋根と床の面積が大きくなるため固定資産税の算出に大きな影響を与えることになります。家屋の固定資産税を計算する方法は非常に複雑ですが、屋根や床の面積と太陽光システムのパネル枚数は計算項目に含まれます。つまり、平屋を建築し太陽光パネルを屋根に設置した場合、同じ延床面積の2階建てよりも固定資産税が高くなります。このように、平屋は2階建てと維持費が同じではないことを知っておくことが重要です。

平屋の固定資産税対策

平屋の固定資産税をなるべく抑えるためには、新築時の家屋調査査定を低くしてもらうことがポイントです。固定資産税は家屋調査によって累積したポイントをベースに算出されるため、固定資産税を安くするための非常に重要な査定といえるでしょう。そのためには、次の2点を押さえておきましょう。

・木造で建てる
・シンプルな設計にする

木造で建てる

各都道府県ではそれぞれ「新築建物課税標準価格認定基準表」という固定資産税の評価ポイントをまとめた基準を作成しています。この表では、構造物において木造が最もポイントが低く、鉄筋コンクリート造が最も高くなります。そのため、平屋を建築する際の構造は、木造を選択することで固定資産税を安くすることができます。

シンプルな設計にする

デザイン性の高い間取り設計は家屋調査時の査定も高くなります。そのため、なるべくシンプルなデザインを心がけるようにしましょう。ただし、家屋内の間取りを変更することはそれ程大きな影響はありません。外観を成功形に近いシンプルなデザインにすることで図面などの設計図書もスッキリさせることができ、査定を低くできる可能性があります。

また、シンプルなデザインは建築コストを大きく下げることができます。そのため、特にこだわりがない部分についてはなるべくシンプルなデザインを選ぶようにしましょう。

平屋と2階建ての費用

固定資産税以外にも、平屋と2階建てでは様々な費用が違います。ここでは建築費用とメンテナンス費用の違いについて解説します。

建築費用の違い

一般的に平屋の方が建築費は高くなります。その理由として、建築費用が高い屋根と基礎部分の面積が大きくなるからです。また、平屋は敷地面積が大きくなるため前面道路からの配管引込やガス管引込工事が2階建てよりも高くなります。太陽光システムも、屋根が大きいからといって全面パネル式にすると建築費用が増加してしまうため、注意するようにしましょう。

メンテナンス費用の違い

平屋と2階建てでは、メンテナンス費用は平屋の方が安くなります。外壁塗装を行う際、平屋は2階建てよりも壁面積が少なく、さらに足場を組む必要がないため外壁塗装費を大きく削減することができます。また、ワンフロアで生活するイメージの平屋はエネルギー効率が高く、エアコンなどの光熱費を抑えることができます。そのため、同居人数が多い家庭など、光熱費が気になるケースであれば平屋はおすすめの住宅だといえるでしょう。

まとめ

平屋は2階建て住宅よりも建築費や固定資産税が高くなるものの、外壁塗装費用や光熱費は安くなります。そのため、一概に初期費用や固定資産税だけで決めず、まずは建築のプロに相談しどちらが最適なのかを把握しながら検討するようにしましょう。