平屋は居住空間を効率よく使うことができる間取りを設計しやすく、デザイン性も高いため人気の家屋です。その一方で注意すべき点も多く、平屋を検討する際にはメリットとデメリットをしっかりと把握しておくようにしましょう。この記事では、平屋を検討する際に是非知っておくべきポイントについて解説します。
目次
平屋のメリット
平屋の代表的なメリットは次の通りです。
・生活動線がシンプル
・家族間のコミュニケーションが容易
・地震と台風に強い
・家屋内の空間を効果的に利用できる
・ランニングコストが安い
生活動線がシンプル
2階建ての家では階段を設置する必要があり、生涯何度も階段を昇降することになります。また、水回りが上下階に分かれている場合は家事の効率も悪くなります。その点、平屋はワンフロアに家の全てが設置されており、水回りを効率良く固めて設置することができます。このように、家事を行うための家事動線が良く、同居している家族がぶつからないような生活動線を設けることができるのは、平屋のメリットだといえるでしょう。
家族間のコミュニケーションが容易
平屋は2階を支える柱がないため、生活動線を良くすると共に開放的なリビングを設計することができます。快適なリビングには自然と家族が集まり、コミュニケーションが取りやすい空間となります。また、帰宅時に自室へ向かう途中、必ずリビングを通る設計になりやすいため、家族間のコミュニケーションを大事にしたいという人にとっては平屋がおすすめです。
地震と台風に強い
地震発生時に家屋がダメージを受ける場合、多くのケースは尖った箇所などエネルギーが集中してしまう部分です。そのため、尖った部分が多い2階建て住宅はエネルギーの分散が難しいとされています。その点、平屋は1階しかなく地面からの揺れをしっかりと基礎と床で受け止めることができます。家屋全体で地震のエネルギーを受けることができるため、平屋は比較的地震に強いです。
また、2階がない分台風時には風による揺れも少なく、飛来物がぶつかる可能性も2階に比べて低くなります。このように、地震や風に強いという特徴は平屋の大きなメリットだといえるでしょう。
家屋内の空間を効果的に利用できる
2階部分がない平屋は屋根と家屋内の空間を効果的に設計することができます。屋根裏部屋やスキップフロアといった設計は、収納や空間のムダをなくす優れた設計です。このように、平屋は2階建てでは難しいとされる設計を容易に取り入れることができます。
ランニングコストが安い
外壁面積が少なく足場を組む必要もないため、将来外壁塗装をする際には2階建てよりも見積が安くなる傾向があります。また、ワンフロアでの生活はエネルギー効率が高く、エアコンも1台ですむこともあります。そのため、光熱費が比較的安いというのも平屋のメリットです。
平屋のデメリット
平屋はメリットも多いですが、デメリットもあります。そのため、平屋を検討する際にはメリットとデメリットの両方を把握した上で進めるようにしましょう。平屋の代表的なデメリットは次の4つです。
・広い敷地が必須
・建物の坪単価が2階建てより高い
・日当たりと風通しに注意を払う必要がある
・プライバシーと防犯面が弱い
広い敷地が必要
一般的な4LDKの2階建て住宅と同じ部屋数や居室面積を平屋で儲ける場合、最低でも55坪以上の土地は必要となるでしょう。駐車計画や庭の有無によっても面積は変動しますが、2階建て住宅よりも広い敷地を探す必要があります。
一般的な100㎡前後の2階建て住宅で駐車台数2台とした場合、40坪前後あれば実現可能です。つまり、平均坪単価が50万円のエリアでは15坪多く必要となり、750万円の費用が増えることになります。そのため、平屋を検討する際には資金計画が難しくなる可能性があるため、注意が必要です。
建物の坪単価が2階建てより高い
平屋は建築費が高い屋根と基礎部分の面積が大きくなるため、建物坪単価は2階建てよりも高くなる傾向にあります。そのため、前述した土地面積が増えるデメリットとあわせて、資金計画に大きく影響する可能性があります。場合によっては導入する予定だった設備を諦めることにもなりかねないため、資金のバランスは2階建て住宅よりもさらに重要だといえるでしょう。
日当たりと風通しに注意を払う必要がある
一般的な住宅は2階建てとなるため、周辺が何もない丘の上でない限り平屋は比較的日当たりと風通しが悪くなります。そのため、吹き抜けや天井窓を設置するなどの工夫は必要となるでしょう。
プライバシーと防犯面が弱い
1階に全ての生活環境がある平屋は道路から見られる部分も多くなり、プライバシーと防犯面に対処する必要があります。そのため、目隠し塀や防犯砂利を道路側に設置し、防犯性を高めるといった外構は平屋に不可欠といえます。
平屋を建てる際に注意すべきポイント
平屋を検討する際には前述したデメリットにも記載した通り、立地と間取り、資金に注意しながら進める必要があります。特に立地は重要です。不動産では相場よりも安い土地は必ず理由があり、その多くは後から費用がかかるケースです。形がいびつであったりハザードマップに該当するエリアであったりする場合は建築で対応することなり、注意する必要があります。
また、間取りを効果的に設計しなければ平屋のメリットは大きく損なわれることになるでしょう。その一方で、全ての要望をつぎ込んだ立地と間取りを選択した場合、資金計画が成り立つのかが不安要素です。そのため、まずはファイナンシャルプランナーなどに相談し予算の全体を把握し、その上で希望の間取りをイメージし土地探しをするようにしましょう。
まとめ
平屋はオシャレで人を呼びたくなるようなデザイン性の高い家を建てることができます。その一方でデメリットも多く、特に資金のバランスを取るのが難しいとされています。平屋を建てるにあたり後悔がないよう、しっかりとメリットとデメリットを確認しておきましょう。
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